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  • 文化・歴史

醸造・発酵

気候変動と酒米品質

気候変動と酒米品質
三ツ井 敏明 Mitsui Toshiaki	自然科学系(農学部)・教授
三ツ井 敏明 Mitsui Toshiaki
自然科学系(農学部)・教授

地球温暖化による異常高温はヒトのみならずイネなど重要作物の生産に大きな影響を及ぼしつつあります。平成22年夏季は各所で観測史上例を見ない猛暑となり、高温被害米が多発し、一等米比率を激減させました。新潟県はその風土に育まれた最高級の良食味を呈するブランド米コシヒカリを生産していますが、新潟県でも夏季の異常高温によりブランド米の生産に大打撃を被りました。温暖化はさらに進行すると予測されていることから、気候変動による米品質の変化を注視する必要があります。新潟県では五百万石や越淡麗などの酒米の育成・栽培が行われていますが、このような酒米の品質についても気候変動の影響があると考えられます。しかし、酒米品質に関する研究はあまり行われておらず、断片的で不十分な情報しかありません。私達は、気候変動による酒米の澱粉分子構造や有機酸・アミノ酸などの代謝物含量の変化、そしてこの変化が酒造に及ぼす影響を明らかにし、新潟大学・新潟県・酒造組合が推し進める日本酒学の発展に貢献することを目的としています。


醸造・発酵

自然界からの酵母の分離と育種

自然界からの酵母の分離と育種
鈴木 一史	Suzuki Kazushi	自然科学系(農学部)・教授
鈴木 一史 Suzuki Kazushi
自然科学系(農学部)・教授
杉本 華幸	Sugimoto Hayuki 自然科学系(農学部)・准教授
杉本 華幸 Sugimoto Hayuki
自然科学系(農学部)・准教授

私たち応用微生物学研究室は、微生物(主に細菌)の遺伝子・タンパク質・酵素の機能や性質についての基礎的な研究を中心に、さらには応用を目指した研究も行っています。その応用研究の一つとして、自然界からの酵母の分離と育種を行なっています。なお、この研究は新潟県醸造試験場との共同研究として進めています。
自然界には多種類の酵母が存在しますが、日本酒製造に使用できるのはSaccharomyces cerevisiaeです。私たちは自然界からS. cerevisiaeの分離に成功しましたが、その発酵力は極端に弱く、とても日本酒の製造に使えるものではありませんでした。そこで、清酒酵母との掛け合わせ(いわゆる品種改良)を行い、発酵力の強い自然由来の酵母を育種しました。この酵母を使った日本酒の開発を進めております。酵母の分離源につきましては、日本酒が開発された暁に発表したいと思います。



機能性・健康

酒粕由来成分の骨代謝に対する効果

酒粕由来成分の骨代謝に対する効果
柿原 嘉人 Kakihara Yoshito
医歯学系(歯学部)・助教

私たちは、酒粕の健康に対する様々な効果について研究をしています。そのひとつとして、私たちが着目しているのが、酒粕の骨代謝に対する効果です。丈夫な骨は、良く新陳代謝しており、古くなった部分が破骨細胞によって取り除かれ、骨芽細胞によって新しく作り変えられています。両細胞がバランス良く働くことで、骨の新陳代謝が維持されますが、例えば、破骨細胞が優位に働くと骨密度が低下し、骨粗しょう症のような骨疾患を引き起こします。現在、我が国の骨粗しょう症の患者数は、推定で約1200万人以上と言われており、特に60代以降の女性の割合が高いという傾向があります。骨粗しょう症になると骨折しやすくなり、寝たきりの原因にもなりかねません。つまり、老後を健康に過ごすためには、骨を健康に保つことが大切です。
 酒粕には、タンパク質、炭水化物、食物繊維、ビタミンやミネラル以外にも様々な生理活性物質が含まれていることが明らかになっており、私たちは、『それらの成分が骨代謝や骨粗しょう症に対してどのような効果があるのか?』について研究を行っています。


機能性・健康

日本酒・酒粕によるストレス軽減効果

日本酒・酒粕によるストレス軽減効果
岡本 圭一郎	Okamoto Keiichiro 医歯学系(歯学部)・准教授
岡本 圭一郎 Okamoto Keiichiro
医歯学系(歯学部)・准教授

百薬の長か?複雑な現代社会の渦中にいる私たちは、ストレスという不快な状態を避けることはできません。そしてストレスが蓄積すると、気分が滅入ったり、胃が痛くなったり、様々な“健康上の不調”が出てきます。一方、私たちは、お酒が、私たちのストレスを解消してくれることも経験的に知っています。しかしそれは本当なのでしょうか?もし日本酒が、ストレスを解消できれば、ストレスがきっかけによって引き起こされる嫌な気分や、痛みを軽減できるのでしょうか?この質問に科学的な答えを見出そうと、モデル動物を用いて、基礎的な立場から調べています。そして限定した条件下ですが、心理・身体的ストレスモデルでみられるウツ様行動や痛み応答の増大は、日本酒(新潟県産)によって軽減することがわかってきました(Nakataniら、Biosci Biotechnol Biochem. 2018)。現在、歯学部の他の研究室と共同で、ストレス応答に対する酒粕の役割についての研究も行っています。



流通・経済

日本酒評価アプリケーション開発とし好分析

山崎達也-利き酒実験の様子
山崎 達也 Yamazaki Tatsuya 自然科学系(工学部)・教授
橋本 侑季 Hashimoto Yuki(修士2年学生)

利き酒などの場面を想定して、飲んだ日本酒に対する評価を簡易的に入力できるアプリケーションの開発を行っている。入力項目が多過ぎると煩雑なインタフェースとなるため、適切な数に入力項目を絞る必要がある。そのため、五感の中でもより日本酒の評価に影響があると思われる味覚と嗅覚に着目して、実験を通して評価項目の選定を行った。実験の結果、味覚に関しては甘味、苦味、酸味に絞り、嗅覚は一般の人でもなじみの深い吟醸香に限って評価してもらうことが適切であると判断している。今後は、開発したアプリケーションを用いて収集した主観的な評価と、その日本酒に付随する日本酒度、濃度、酸度などの客観的データを大規模に収集し、それらの関係性を分析する予定である。最終的には、個人の主観評価の特徴を抽出することにより、日本酒に対するし好を推測する手法を開発し、その人にあった日本酒が推薦できるようなサービスの実現へつなげたいと考えている。
既発表:橋本侑季,山﨑達也,"日本酒に対する評価データ収集アプリケーションを用いた嗜好分析の検討," 信学技報, vol.118, no.503, CQ2018-105, pp.73-78, March 2019.


流通・経済

実社会でのデザイン表現実践研究

実社会でのデザイン表現実践研究
橋本 学		Hashimoto Manabu 人文社会科学系(教育学部)・准教授
橋本 学 Hashimoto Manabu
人文社会科学系(教育学部)・准教授

 商品開発での構想をアウトプットする過程では、色・形・パッケージ・展示会での演出等、デザイン表現が関わる場面は多く存在する。このデザインする行為は、通常、開発者とともに寄り添って進められてゆく。開発初期段階での商品コンセプトの方向性は大事であり、商品の着地点に大きな影響を与える。 大学内での研究・教育活動においても、表面的なデザインの築きでは無く、開発者と共に商品コンセプトを考え戦略的に進められることを望み活動を行ってきた。近年、活動に至った事業は、近隣の酒蔵での新たなブランド酒の企画に関わり、ラベル・パッケージデザイン・展示会の演出を行った。デザイン教育としての活動は、酒蔵の協力のもと、期間限定ラベルを配した日本酒を市場に置き社会実験を行って来た。また、新潟大学ブランド酒「新雪物語」のデザイン、デザインの力を持って活動を進めた集落活性化プロジェクトでの食品ブランド開発があげられる。


流通・経済

日本酒の海外展開・流通・販売に関する研究

実社会でのデザイン表現実践研究
岸 保行	Kishi Yasuyuki 人文社会科学系(経済学部)・准教授
岸 保行 Kishi Yasuyuki
人文社会科学系(経済学部)・准教授

 現在、伝統産業の海外展開と新潟の地域創生について、日本酒産業に焦点を当てて研究をおこなっております。
 日本酒をキーワードに多角的な研究を展開しており、これまでは、日本酒の海外輸出について、その流通経路や海外向けの製品開発、さらには海外展開による伝統と革新のジレンマなどについて研究をおこなってきました。また、歴史のある酒蔵が海外市場に進出を果たすことで、それが国内の事業活動にどのような影響を与えるか、海外展開と国内事業との相互補完関係についても研究をおこなっております。
 最近では、新潟県酒造組合の「2018年新潟淡麗にいがた酒の陣」の経済波及効果の算出をおこない、酒の陣などの地域イベントが地域経済に与える経済波及効果についても試算しております。
 日本酒は様々なモノやコトと組み合わせることで魅力を増す新潟を代表する伝統的な文化的製品です。料理や酒器、さらにはツーリズムやイベントなどと組み合わせることで、日本酒の価値が高まります。
新潟が誇る日本酒を基軸に海外展開を始めとする、様々なコトやモノとの組み合わせで新潟清酒の付加価値を高め、新潟の地域創生に繋がる研究成果を生み出していきたいと思います。



文化・歴史

酒と〈うた〉に関する研究

酒と〈うた〉に関する研究
伊野 義博	Ino Yoshihiro 人文社会科学系(教育学部)・教授
伊野 義博 Ino Yoshihiro
人文社会科学系(教育学部)・教授

酒造りをする際,〈うた〉は欠かせないものであり,作業の工程のすべてに〈うた〉が必要とされた。唄半給金という言葉があるように,蔵人にとって〈うた〉をうたうことが重要な能力として期待されていた。また,酒と〈うた〉は,宴の文化に代表されるように,日本の文化の基底をなすものとも考えられる。このような,酒と〈うた〉の関係性に着目しつつ,民俗における〈うた〉の有り様について研究をしている。


文化・歴史

ヨーロッパにおける日本酒の地位

ヨーロッパにおける日本酒の地位
寺尾 仁 Terao Hitoshi
人文社会科学系(工学部)・准教授

ヨーロッパにおいても日本酒への需要が高まっている。"Sake"は、フランスではこれまで中国の白酒と混同されていたが徐々に日本酒として認められるようになり、スペインとイギリスでは醸造所も設立された。
このような状況を、ヨーロッパで盛んなワイン学の方法に倣いつつ、法律・経済・社会の観点から研究するとともに、ヨーロッパで"Sake"に対する興味・需要の喚起に役立ちたい。