日本酒学とは
What is Sakeology?

世界初の学問
「日本酒学」とは、広範な学問を網羅する「対象限定・領域横断型」で、
日本文化や伝統に根差した日本酒に対象を絞った世界初の学問領域です。
取り扱う対象は、原料(水・酒造好適米等)や微生物から醸造・発酵の知識と技術、そして日本酒が消費者の手に届くまでの流通や販売、マーケティングに関する領域、さらには醸造に関連する気候や風土、地理的表示保護制度(GI)などの地域性に関する領域、歴史や酒税、醸造機器、日本酒のたしなみ方や健康との関わりなど、日本酒に関連する多岐にわたる領域となります。
教育においては、日本酒に関連する領域横断的な体系的理解を進め、座学のみならず、実習や演習を取り入れた主体的な問題解決型の学びを提供します。
研究に関しては、従来の清酒の関連領域であった、醸造学や発酵学のみならず、日本酒に関連した分野を対象とし、その研究成果を広く国内外に発信します。
日本酒に特化した体系的な科学(「日本酒学(Sakeology)」)の構築を目指し、新潟大学が世界初の日本酒学の拠点となるために活動していきます。

※上記専門領域の内容は一例です。
日本酒学の誕生

左:新潟県花角知事/中央:新潟大学髙橋前学長/右:新潟県酒造組合大平会長
(2018年8月3日「日本酒学シンポジウム」にて撮影)
新潟県、新潟県酒造組合、新潟大学は、日本酒に係る文化的・科学的な幅広い分野を網羅する学問分野「日本酒学」の構築について、国際的な拠点の形成とその発展に寄与することを目的として、2017年5月に連携協定を締結しました。
日本酒に係る文化的・科学的要素を融合した学問分野「日本酒学」の構築を目指し、本学の教育・研究活動の成果を広く社会に還元することにより、新潟県の産業振興と新潟県を代表する地域ブランド品である新潟清酒の魅力向上に貢献することを目指すこととしています。
新潟大学では、この協定に基づき、2018年4月に新潟大学日本酒学センターを設置しました。総合大学である強みを生かし、広範な研究・教育分野から教員が参加する形で本センターを運営します。さらには学外メンバーとして新潟県、新潟県酒造組合が参加し、3者の力を結集することで、日本酒に係る「教育、研究、情報発信、国際交流」に関する事業を展開します。

新潟大学長
染矢 俊幸
2026年4月1日
日本酒を、文化と科学の両面から探究する。
新潟大学は、日本酒学(Sakeology)という新しい学問を世界に提唱しています。
新潟大学日本酒学センターは、日本酒をめぐる多様な知を結び付け、新たな学問領域「日本酒学(Sakeology)」の確立と発展を目指す研究教育拠点です。
日本酒学(Sakeology)は、新潟大学から提唱された、日本酒を総合的に探究する新しい学問領域です。日本酒は、日本の自然、文化、歴史、そして人々の暮らしの中で育まれてきた貴重な文化資産であると同時に、米づくりや発酵に関わる生命科学・農学、酒造技術や品質評価に関わる工学・食品科学、さらには歴史・文化・社会・経済・観光など、人文社会科学の領域とも深く結び付く存在です。日本酒を真に理解するためには、こうした多様な知を結び付ける総合的かつ学際的な研究が必要となります。
日本有数の酒どころとして知られる新潟は、豊かな自然環境と長い酒造文化を背景に、日本酒文化と酒造産業が高度に発展してきた地域です。この地に立地する総合大学である新潟大学は、自然科学と人文社会科学の知を結び付けながら、日本酒をめぐる知の体系化に取り組んできました。
このような視点から、2017年、新潟県、新潟県酒造組合、新潟大学の三者は連携協定を締結し、日本酒を文化的・科学的に総合的に探究する新たな学問領域として「日本酒学(Sakeology)」を提唱しました。
その理念のもと、新潟大学は2018年に日本酒学センターを設置し、2020年には全学共同教育研究組織として新たな体制を整えました。
本センターでは、日本酒に関する科学的研究と文化的研究を統合的に推進するとともに、その成果を教育へと還元し、次世代の担い手となる人材を育成しています。また、地域社会や酒造産業との連携を通じて新たな文化的・社会的価値を創出し、そこから生まれる課題や知見を再び研究へと還元することで、日本酒学を発展させていきます。研究、教育、人材育成、社会共創が相互に循環することこそが、日本酒学の特徴です。
近年、日本酒は世界各地で高い関心を集め、日本文化を象徴する存在として国際的な評価を高めています。新潟大学日本酒学センターは、新潟という地域に根ざしながら、日本、そして世界に開かれた研究教育拠点として、日本酒をめぐる知を国際社会に向けて発信し、日本酒学という新たな学問領域の確立と発展に取り組んでいきます。

新潟県知事
花角 英世
2018年8月3日
本年、新潟大学に日本酒学センターが設立され、講義が開始されるなど、「日本酒学」の拠点形成に向けた取組に、大きな喜びと期待を寄せているところです。
産学官の連携協定に基づくこの取組は、本県独自の魅力を活かした地方創生のモデルケースであると考えており、世界的に日本酒への関心が高まる中、日本酒に関する総合的な学術研究拠点を確立する取組は、ワインの世界的な銘醸地であるフランス・ボルドーのように、新潟が日本酒の銘醸地であることを国内外に広く認知してもらう取組であると考えております。
県では、県立として全国唯一の日本酒専門の試験研究機関である醸造試験場における技術開発をはじめ、新潟清酒産業の振興に向けた様々な取組を行っております。今後、日本酒学センターを中心とした幅広い取組が展開され、日本酒に関心を持つ研究者や学生が世界中から集う場となることを期待しております。
県としても、日本酒は、新潟が世界に誇る大きな魅力の一つであると考えており、新潟清酒のブランド力を高め、国内外の多くの方々から本県を訪れていただくきっかけとなるよう、新潟清酒産業の発展に全力で取り組んでまいります。

新潟県酒造組合会長
大平 俊治
2018年4月1日
新潟大学の皆様へ
新潟大学に日本酒学の構築についての国際的な拠点形成に係る協定を、新潟大学、新潟県、新潟県酒造組合で結んで以来、間もなく1年が経とうとしています。いよいよ平成30年4月1日から、新潟大学日本酒学センターが正式に発足します。三者でのMOU締結の意義はとても大きいことだと思います。
新潟大学と酒造組合で立ち上げることもできたこのMOUに、県が加わることによって強固なトライアングルが形成されました。このトライアングルが様々な困難を乗り越えさせてくれました。
そう、正三角形は最強の強度を持っています。大学、県、組合の組み合わせはそれぞれどこが強くても、弱くてもその強度は小さくなります。大学がその自治をきちんと守り、大学の中で研究を行い、授業を実践していく、組合、県はその自治を尊重し、リスペクトしながら活動を応援する。組合は何しろ日々の実戦でありますので、生きた教材です。これを使いながら学問に仕上げていく、県はこれを側面から応援し、海外から様々な人を日本に呼んでくるインバウンドにつなげます。新潟県の特徴に仕上げて広報する、資金の工面の応援をしていく。いずれにしても、世界で初めての日本酒学センターの開設ですので、まだ始まったばかりです。夢は新潟大学を中心として新潟が日本酒学のメッカとなり世界から人々が集まってくるような構図を創り上げたいのです。どうか応援よろしくお願いします。
そして、4月から始まる日本酒学の授業をどうか受講してください。出発は日本酒への興味からです。
